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インドネシアの就活事情 [インドネシア納得情報]

経済活動が活性化するインドネシアでは、新卒の採用活動に力を入れる企業が増えているそうです。経済成長に伴い、労働者の雇用機会が拡大し、人材の売り手市場になっていることが背景としてあげられます。有望な市場として事業の拡大を狙う日系企業の間でも、会社の未来を担う優秀な人材発掘への動きが広まりそうです。

 

 まず、インドネシアでの採用活動とはどのようなものなのでしょうか?

 

インドネシアでは、日本のように各社が同時期に新卒の一括採用を実施する慣習はなく、学生の多くは卒業後、大学の掲示板やインターネット、就職フェア、先輩や知り合いの紹介などで就職先を見つけるのが一般的だそうです。

新卒一括採用枠が用意されていないとなると、おそらく中途採用者と“採用”を巡って戦わなければならなくなるでしょうから、とても大変なのではないでしょうか。。。

 

ちなみに日本の就職活動はというと、新卒採用のスケジュールはだいたい決まっており、それ以外の時期に新卒として採用されるチャンスはほとんどありません。

スケジュールとしては、12月に一斉に募集が始まり、それぞれの企業にエントリーをし、説明会に参加し、4月頃から面接が始まり、だいたい56月に内定、翌年4月に入社という流れが一般的なのではないでしょうか。2015年入社組は、ちょうど就職活動が始まったころですね。(“日本 就活”でググってみたところ、検索候補に“気持ち悪い”“異常”などと出てきてびっくりしました…)

 

 一方で、現地の大手企業を中心に定期的に新卒を採用しているところも少なくありません。数多くの海外ブランドの販売権を持つ小売大手のMAP(ミディ・アディプルカサ)は、新卒の採用を重視する企業の一つ。新卒の採用活動は毎年8月~翌年1月に実施されます。主にインターンとして受け入れ、使用期間を終えた学生を雇用しているとのことです。新卒の採用人数は毎年増えており、今では年間100人以上となりました。

 

 また、これまで新卒をほとんど採用してこなかった企業も動き出しました。

 伊藤忠商事の現地法人である伊藤忠インドネシアは、3年ほど前から新卒を定期的に採用し始めました。人事担当者によると、主に現地の人材紹介会社を通じ、年間数人程度を雇用しているそうです。

 

では、なぜ新卒採用が増えているのでしょうか?

その理由として、“労働コストの抑制”が考えられます。各社が新卒の採用活動に力を入れる背景には、インドネシアの労働市場が逼迫しているという現法が挙げられます。ここ数年の好景気で企業が事業を拡張する中、外資を含む新規参入組も相次いでいることから、労働者の賃金も跳ね上がっているのです。日系人材紹介会社の担当者は、「企業は新卒を採用することで労働コストの抑制を狙っている」と指摘し、「経験はないものの、他社の色に染まっていないため、企業文化を教え込むことが難しくない」という利点も付け加えました。

 伊藤忠インドネシアの人事担当者も同様に、「中途採用の人材は扱いづらいケースが少なくないため、一から育てるのも悪くない」と語りました。同社では新卒から2年で昇進した例もあり、未経験者でも近い将来戦力になりえることを強調しました。

 

ただ、新卒の採用意欲が高まっていることもあり、各社は優秀な学生を確保することが段々難しくなっているようです。

NPO法人アジア情報フォーラムによると、インドネシアにおける大学進学率は2010年時点で23%、東南アジアではタイの半分と低い数値を記録しています。米コンサル大手マッキンゼーによると、2020年には管理職の需要に対して供給が半分しかないなど、将来の会社を担う人材が大幅に不足することが予想されています。

 

 一方で日本企業にとっても、中長期的な事業拡大には経営層を含む人材の現地化が欠かせません。インドネシアには少しでも良い条件を求めて職場を転々とするジョブホッピング文化が根付いているそうで、各社での人材育成や優秀な人材確保のための方策が気になるところではありますが、ホワイトカラーの需給が一層引き締まる労働市場で、新卒の採用を増やす企業が今後も拡大しそうです。

平均年齢28歳の若くて豊富な労働資源が活きる手段のひとつになるのではないでしょうか。
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