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バリ島の世界観(神々と鬼たち) [インドネシア納得情報]

三つの世界が共存しています。
1)Alam para dewa
神々の世界。神々は秩序を愛し、人間界に平和を与える。
Vishnu.jpg

2)Alam manusia

人間が住む世界。
sembahyang.jpg


3)Alam para raksasa(buta)

鬼たちが住む世界。混沌とした欲の世界。
ravana.jpg

三つの世界のバランス(keseimbangan)は、もっとも重要視されます。善悪の基準は、美醜ではなく、バランスを犯すモノの鎮圧になります。従って、欲の世界に生きるpara buta(鬼たち)も配慮しなければならない。

三つの世界を結ぶのは極めて単純な営みです。それは『食べる(makan)』ことです。神々も人間も鬼も存在し続けるために、『食べ』なければならないのです。なので、ここで言うdewa(神)は、抽象的な真理を司る神ではなく、ごく普通に人間味のある神のことを指します。

世界の均等を保つために、人間にも神々にも鬼にも『食』を与えれば、皆平穏に暮らせると考えられます。神々様や鬼たちに捧げる『食べ物』はsesajen/ canang(お供え物)と言います。
canang.jpg


Arbee's comment[ひらめき]

バリ島は、イスラム教徒が多いインドネシアの中で、ヒンズー教徒が多い島です。自給自足で何百年間続いて来ました。そこで、upacara(儀式)に皆さんが莫大なお金をかけるのは多少不思議に思うかもしれませんが、これは、宗教行事を中心に経済を回す取り組みだったのです。odalanオダランの時に、綺麗に鬼の人形を作っているのですが、最終的に燃やします。宗教的に、鬼たちを元の場所に戻しますが、経済学的に、人形を燃やすことで、来年、又、作らなければならないのです。人形を作る産業が盛んになります。非効率に思うかもしれませんが、仕事の安定を図ることが出来ました。


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by.アルビー(Albertus Prasetyo Heru Nugroho)
インドネシア語講師・日本政府機関翻訳通訳家・コンサルタント
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