SSブログ

インドネシアの医療事情 [インドネシア納得情報]


保健省各局・ジャカルタ州保健局・国家調達政策庁・National Referral Hospital RSCM病院・Persahabatan病院・医療機器サプライヤー等数か所訪問をしてきました。とても勉強になりました。

日本の商品について以下のような評価になっております。
1.Market oriented ではない
日本の国際競争力の低さが垣間見えました。意外と日本の医療機器には、market orientedになっていません。インドネシアでは、画像診断系はGE Siemens Philips で 代理店によっては、Toshiba が入ったり入らなかったりします。日本の機器は素晴らしいですが、誇れる程に、技術的に・販売後のサービス的にGE や Siemens や Philipsとの差が無いそうです。

2.一貫していない販売・生産管理
某代理店は、仕事を取ったものの、本社に連絡したら『急な受注が無理です』『受注しても困る!』と言われたことがあるそうです。笑。GEの場合は、工場への調整を行い、プッシュを行うそうです。

3.低い交渉能力
某代理店の指摘でもありますが、インドネシア大学付属病院は日本の円借款で建てられるそうですが現在建設中です。病院の医療機器の公募は、縛り無し になっています。つまり、日本製じゃなくても良いことになっています。日本の医療機器の代理店は、これについて首をかしげるそうです。他国の援助は必ず ひもつき になっているのに、折角、日本の代理店になっていても、政府の動きを見ていても、得にも何もないそうです。幸い、その代理店は他国の機器も販売しているので、それを入れるそうです。

4.スピードが遅い
連絡だけが早い。けれど、決断が遅い。自分の責任上にことをなさない。日常平和ならHEROにならなくても良い。正に、平成 ですね。笑。サラリーマンの典型的な特徴で、『リスクを犯さない』『規則を守る』『型を破らない』『出る杭が打たれる』です。某機関からの指摘では、医療機器の技術進歩が速い。従って、迅速に動くことは大事なキーです。ドイツの援助機関のKFW(ドイツバージョンのJICAらしい)は、インドネシア国家開発庁BAPPENASのblue bookから案件を見つけてから実行するまでは大体3年から4年。日本は早くても7年間だそうです。インドネシア大学付属病院は2008年から動いてやっと今実行されようとしています。

5.構造的に国際化に非対応?
言葉がうまく見つかりません。構造的にproduct orientedでメーカーは日本市場に甘やかされているように思えます。確かに日本国内の目が厳しいです。画像系なら 101になるならなぜ100しか出せないのか?1000と1010の世界に拘る素晴らしいことです。これは、product orientedと言えましょうか。しかし、インドネシアでは、USG(超音波機器)を使って、あかちゃんの気配はどうなっているのか あかちゃんの位置は正常かどうか さえ分かれば、母子死亡率を下げることが出来ます。従って、10 と 20の世界です。代理店は TOYOTAとマツダを比較せよ!と。インドネシアでは、中間層以下のavanzaから富裕層のcamryまで商品ライナップがありますが、マツダはそうでもありません。今は、まだまだ低SPECだが、所得が増えるにつれて、HIGH-SPEC になりつつあります。低SPECと低品質は異なります!低SPECでもきちんと作り込めば市場に合う高品質が作れます。そこはどうも日本の足りぬです。『驕る平家は久しからず』です。しっかりと反省すべきですね。

------------
■親日の意味を 誤解してはいけない。

私はcool japanの動きと 日本の国際競争力向上の動き が正反対に見えて仕方ありません。インドネシア人は心底日本が好きです。それはやはり実績が色々とあるからです。
a.ホテルインドネシアは日本の援助で作られた。これを機に大成建設は世界進出を図った。それで、今のインドネシアの建築・建設技術は大成建設OBと呼ばれる元大成建設インドネシア人社員が日本の技術にあこがれて学びながら、地道に積み上げて来た。
b.インドネシアの母子手帳は、日本の母子手帳を参考に作られている。
これらの動きは、とてもcoolです!cool過ぎて、見えないです。しかし、インドネシア人誰にでも必要とされています。しかし、いかがでしょうか?今のcool japan?ジャパンを強調し過ぎて、表層的な部分だけになっていませんか?弊社インドネシア総研は2012年のcool japanを直接受託しました。それからも日本の政府案件もいくつかやっておりますが、『予算消化』だけに終わってしまうケースが多いです。イベントだけで終わるようなものではなく、インドネシア人と両想いに戻す動きをしてほしいです。

新幹線は受注出来ない理由は分かりませんが、日本が嫌いな訳ではない。好きなのに、『もっと遊んで』と何度もメールをして返事が来なければどうでしょうか?不細工で何でも言うことを聞く身近な相手がいると、仕方なくその人に寄り添うというのって自然ではないでしょうか。好きよ!好きよ!って言われたら、『あなたのことをもっと知りたい。そこから決めようっか』って言うだけでも良いではありませんか?

by. Albertus Prasetyo Heru Nugroho
インドネシア総合研究所  CEO
http://www.indonesiasoken.com

 にほんブログ村 海外生活ブログ インドネシア情報へ
              にほんブログ村


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。